息子が不登校になった理由は、本人曰く「いろいろだよ」でした。

こういうボンヤリした答えって反応にも対応にも困りますよね……。でも幼い息子なりに精一杯伝えようとしてくれたんだと思います。

そんな「いろいろ」を今の私が説明するなら、

「息子にはあらゆる面で学校というシステムが合わなかった」

でしょうか。

どう合わなかったのかは記事の後半で具体的に書きますが、これだけで息子のストレス許容値の80〜90%くらいが常に埋まり続けていたのではないかと思います。

そこにある時クラス替えがあり、担任が変わり、一部のクラスメイトの言動が変わり、一時的にクラスが学級崩壊気味になるという事態が発生。

これにより息子のストレスは許容値を一気にオーバーしてしまったのです。

ちなみにそれ以前にも、「心のダムから少しストレスが溢れてしまったのかな」くらいのことありました。そして当然、学校に行き渋ったりもしてました。でもこれまでは数日で落ち着きを取り戻せていたんです。

しかし今回は、まるで息子の心のダムに亀裂が入ったような状態になってしまって。

そしてその亀裂は日に日に大きく広がっていくようで……。

そんな息子を見て私たちは、「このままではこの子の心が決壊してしまう」と判断。その結果、息子を学校に通わせることをやめました。

不登校は学校のせいでは?担任のせいでは?

一時的にとはいえ学級崩壊気味になったのなら、息子が不登校になったのは学校のせいでは?担任のせいでは?

という気持ちはもちろんあります。

でも正直なところ、

この学校でなくても、この先生でなくても、うちの息子は遅かれ早かれ不登校になっていただろうな……

とも思うのです。

だって学校というシステムがとにかく合わないんだから。

何かもう今となっては、早い段階で息子に「もう学校に行きたくない!!ムリ!!!」と思わせてくれて有難う、くらいの気持ちです。

だってそうじゃなきゃ、息子の心身がじわじわと蝕まれ疲弊していることに親である私たちが気づかず、「まだ大丈夫」と過信して、もっと大変な事態を招いていた可能性も否定できないんだもの。情けないけど……。

そんな思いもあるので、私としては学校や担任の先生を責めるつもりはありません。

……ゼロではないですけどね?

あまり責めるつもりはありません。

「学校というシステムが合わない」ってどういうこと?

さて、ここからは「うちの息子と学校というシステムの合わなかったところ」について書いていきます。

今になって考えてみると、最初の数年はホントによく耐えたねと申し訳なくなるほど息子には学校というものが合いませんでした。

例えば……。

感覚を刺激するものが多すぎる

まず、1つの教室に30人以上の子どもが集められているという環境ですね。感覚過敏気味な息子にとって、教室というのは全く落ち着ける環境ではありませんでした。

いろんなニオイがするし、いろんな動きが目につくし、いろんな会話が聞こえてくるし……。

あと息子が通っていた小学校は古いせいか、教室が狭かったんですよ。教室が狭いから子ども達の席の並びも2列ずつとかじゃなくて、

2列ー4列ー2列

とか

3列ー3列ー3列

とか

まるで飛行機みたいな密着した座席になってました。他のクラスメイト達が近すぎて、感覚過敏気味な息子にはけっこうストレスフルな状況だったようです。

というかこんなに詰め込まれた状態で毎日6〜7時間を過ごすなんて、大人でもキツいと思いません?

ちなみに私はムリです。もっとパーソナルスペースが欲しい。

精神的ダメージを受ける機会が多すぎる

うちの息子が過敏なのは感覚だけではありませんでした。他の記事でも書いたように、息子はHSC(とても繊細な子)気質なのです。つまりメンタルも過敏なのです。

自分は全く関係なくても、他の子が先生に叱られていたりすると共感しすぎて精神的ダメージをくらいます。実際のところ叱られている本人はケロッとしていても、息子はダメージを受けてしまうのです。

それと同様に、クラスメイト同士がケンカしていてもダメージを受けます。誰かが何かに失敗して悲しんでいても同じように悲しくなります。

こういう子ども達にとって、小学校の教室にいるのはかなりしんどいんですよ。

だって小学校の教室って、誰かが叱られる、ケンカする、失敗して悲しむ、そういうことが日常茶飯事な場所ですからね。

息子は成長とともに多少のことはスルーできるようになったし、「可能であればその場を離れる」というテクニックも身につけました。

それでも教室がしんどい場所であることには変わりはなく、クラスメイトたちがいわゆる「ギャングエイジ」に入っていくにつれ誰かのケンカや叱責を聞く機会は増え……。

息子にとってはじわじわとメンタルを削られる日々だったと思います。

息子にはスローすぎる授業

次に、息子には学校の授業(国算理社)がスローすぎました。

こちらの記事でも書きましたが、教科書をもらったその日に中身を読破して内容を理解してしまっている息子には、実験や観察以外の授業はただただ待つだけの時間だったんです。

それも、上記のように子どもがギッシリ詰め込まれた教室で……。

これは疲弊しますよね。

慌ただしすぎる給食

さらに、慌ただしすぎる給食。授業はあんなにゆっくりなのに、給食を食べる時間はあまりにも短いんですよ。

4時間目が終わってからトイレに行ったり手を洗ったり、エプロンをつけて三角巾をつけて、給食当番の日は配膳をして、みんなに給食が行き渡ったら「いただきます」をして、ようやく食べて、片付けて、昼休み!……までが40分しかない。

食事をするのは比較的ゆっくりな息子には、これも疲れるポイントでした。

というか、改めて書き出してみると学校の給食って本当に慌ただしいですね。だって私が会社員として働いていた時だって、お昼休みを1時間はいただいてましたよ?ときどき会議が延びて昼休みが40分になったら「勘弁してよー!」って感じだったし、さらにその間に「配膳しろ」とか「他の人が揃うまで待て」とかいう謎ルールを出されたら辞めますよ、そんな職場。

でもそれを毎日やっているのが小学校です。キツい。

自由にトイレ(大)ができない

すみませんがトイレ話になります。でもこれ、本人の体調に直結してますし切実な問題だったのです。お医者さんのお世話になったこともありますし。

ある時、小学校の保健室からのプリントで、「早寝・早起き・朝トイレ」みたいな標語が書かれていた記憶があります。「朝トイレ」とはつまり、「朝に家で排便してから登校してほしい」ってことですよね。

確かにそれが理想だと思うし、我が家でも息子が幼稚園の頃から、いやもっと前のトイレトレーニングの頃から、「朝のうちにトイレに座らせて排便を促そう、朝トイレを習慣づけよう」みたいなことをしていました。

でも、息子の身体のサイクルはそういう風にはできていませんでした。

朝早く起きて活動しようが、朝食をしっかり食べようが、彼が自然に便意をもよおすのは高確率で「昼食後」。

昼食後ということは、平日であれば学校にいる時間帯ですよね……。

便意が5時間目の直前や途中にやってきても、そこで毎回「トイレに行ってきまーす」といって抜け出せるような鋼のメンタルなんて持ってないわけですよ、うちの息子は。

だから我慢する。我慢すると出にくくなる。5時間目と6時間目の休憩時間なんて5分しかないのに、その間で出せるわけがない。というか他の子もいるし、学校でウンチをするなんて恥ずかしいし……。

じゃあ帰宅したらすぐに出せるかというと、そんなに甘くないんですよね。結果として息子は便秘がちになり、便意を感じにくくもなりました。

たまに便意を感じてトイレに行っても、なかなか出ない日々。切れ痔になったこともあるし、お医者さんから漢方や整腸剤、便を柔らかくするための坐薬を処方されたこともあります。

そうそう、排便のない日が続くと熱を出すこともありましたね……。

しかしホームスクーリングになって数ヶ月後には、息子のお通じがかなり良くなりました。

毎日ちゃんと便意を感じられるようになったし、トイレに行けばすぐに出るし。しっかり出せれば、お腹が空いてしっかり食べられます。良いことづくめです。

以前は「今日、息子が排便したか」を確認していた私も(だって数日でないと熱出すし!)、今ではそんなことは気にならなくなりました。

もっと早くホームスクーリングにしておけば良かったんだよね、ホントにね。